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楠
富山県交通政策研究会とは県職員の自主研究サークルで、時間外と休日に活動している。まず、地域公共交通を活性化するための前提として、現状分析した結果を紹介したい。自家用車で通勤・通学する人の割合は富山県が7割、東京が1割である。富山県は1世帯当たりのマイカー保有台数は1.69台で全国3位。また、人口が低密度であればマイカー依存になるが、DID(人口集中地区の人口密度)で富山は全国47位であり最低となっている。土地利用、就業形態などを含め県民は車に依存したライフスタイルとなっている。
こうした中、今年4月に開業した富山ライトレールは好調な滑り出しとなっている。15分おきの運行とハイグレードな車両で、十分な公共交通サービスが出来ているからだ。乗客数は6月14日までに27万6000人。JR富山港線のときは平日が2266人、休日が1045人だったが、今は4000−6000人が一日に乗車していることになる。
ライトレールは市長の強力なリーダーシップで短期に運行開始ができたが、ほかに運がよかった面もある。富山駅の連続立体交差の保証金として国から33億円入ったのが、予算面で大きな裏づけとなった。ほかに街路事業として8億円、事業者負担13億円、鉄道事業補助4億円など。
ついで高岡だが、万葉線、氷見線、城端線の連携という観点から考えてみたい。まず使いやすいダイヤへの改善、新高岡駅への直通運転、氷見線電化への挑戦、日本曹達専用線の氷見線乗り入れなどが考えられる。城端線も電化すれば万葉線が直通で乗り入れられ、新幹線駅に城端線新駅を接続できる。さらにこの線はイオン高岡まで延ばすことで需要が増える。氷見線のLRT化と万葉線の乗り入れには、課題がいくつかある。まず現在の万葉線のスピードが自転車より遅いことだ。高岡駅前から越の潟まで35分かかっているが、能町口から氷見線に乗り入れることで所要時間が22分となる。これにより、伏木−新湊間の乗り換えが向上する。
並行在来線について。県内の北陸線は88.6キロあり、駅数では19である。研究会として構想しているのは、資本金70億円の第三セクター経営とする。路線は石動から越中宮崎までで、ダイヤは毎時3−4本の運行。これは東京方面の在来線特急は廃止だが、大阪、名古屋への特急が残ることを想定したものだ。鉄道王国実現のために、経営の上下分離、効率的な経営と市民の協働、地方公共団体の財源確保、都市行政との連携(トランジットモール、集合住宅整備)が考えられる。当グループでは、高山線のLRT化も提言している。
山崎
鉄道とまちづくりについて富山市を中心に話したい。昨日、ポートラムの始発から最終まで全て調査した。日中でもずいぶんと乗っているし、高齢の女性が多い。岩瀬のマップを持っていたので観光だろう。同時にデイケアサービス施設の入所者が何組も乗りにきていた。車椅子のまま乗れるからだ。
かつて全国にあった路面電車は、18市に残るだけになった。東北は全滅である。残った地域を見てみると、都市自体が観光地のところがほとんどである。もっと幅広く鉄道という観点では21世紀に入って廃止された鉄道は多いが、再生された鉄道は5つだけだ。万葉線、富山ライトレール、上田電鉄、わかやま鉄道、えちぜん鉄道だ。2つも再生された富山県はいま注目されている。北海道のJRを調べると鉄道が廃線になった地域の衰退が著しい。こうした中、万葉線を率先して残したことに対して今後10年、高岡は全国の模範として評価されるだろう。
ライトレールの乗客は土日が多かったが、一巡したのか平日と変わらなくなった。つまり、これまでは乗ること自体に魅力があったため、岩瀬まで行ってそのまま次の電車で帰るという客も珍しくなかった。富山市も開業することだけに集中してきたが、これからは沿線に魅力をつけて土日客を呼び戻すことをしなくてはならない。
岩瀬は町がどんどん古くなっている。土蔵を昔のようによみがえらせ、そこに酒屋、そば屋、ガラス工房、陶芸工房などを入居させている。満寿泉の当主がそうした仕掛けをしている。このように昔は旦那衆に支えられて町が成り立っていた。高岡の活気が失われたのも旦那衆がいなくなったからだ。これからは、みんなで旦那衆の代わりをすることが必要だ。
ライトレールでは富山赤十字病院への延伸構想もある。高齢社会にあって、お年寄りの病院通いの需要は大きいからだ。また、市電の環状化計画もある。現在、丸の内から右折して富山大学へ向かっているが、この丸の内から左折して城址公園前を通り、富山国際会議場と富山全日空ホテルの間を抜けて、西町につなぐ。
北陸新幹線の問題はいくつかある。あまり言われていないが、東京駅のホームの問題もある。現在東京駅の新幹線ホームは10本。東海道・山陽新幹線で6本を使っている。残り4本が東北(山形・秋田含む)上越、長野行きである。7時から9時台の本数比較では東海道・山陽が8、9、9本であり、残りが10、11、11本だ。つまり、本数の多い方面が少ないホームで処理されていることになる。ホームに電車が入ってくると、降車に4分、清掃に4分、乗車に4分、次の電車が入って来るまでに4分の計16分掛かる。これを考えると、東京駅のホームを増やしてほしい。上野発着や、間違っても新宿発着などはダメだ。
駅の造りかただが、金沢駅はブティックなどが入っていてオシャレだが、おじさんたちには全く用がないところだ。また、地元の人にどれだけ需要があるのだろうか。福井駅はスーパーやマツモトキヨシが入っていて、身の丈に合った造りと言えるだろう。駅は観光資源でも公共施設でもない。通勤客や買い物客にとって使いやすい駅であるべきだ。見た目がきれいな駅を求めているのではない。全国で観光物産所が閉鎖に追い込まれている駅が多い。需要に即していないいらないものは造るべきではない。
現駅と新幹線駅との問題だが、この間にハイブリッドLRT(電停に集電装置を備えて、電停に停車すると急速充電して駆動するため、電化されていなくても走行可能な路面電車)を通すのはどうか。駅と駅の間は無料にする。つまり一つの駅としてとらえ現駅を北口、新駅を南口と考えて、それを結ぶ動く歩道のような考え方だ。また、新駅には無料の駐車場もつくるべきだし、イオン高岡には平日限定で駐車場を一部、使用できるようにすべきであろう。たとえば、3千円の買い物券を買えば停められるとかが考えられる。
新駅の内容だが、公民館&観光案内所とかコンビニ&土産物店というのはどうか。公民館なら市役所職員は必ずいるから観光案内もする。土産物はコンビニで販売すれば、地元の人も使える。
質疑
松原 公共交通機関を利用した蓮町からのコースについて、さらに聞きたい。
山崎 駅北からポートラムで蓮町、そこからフィーダーバスで四方。射水コミュニティバスで新湊。越の潟をフェリーで渡り、万葉線で高岡へ。タイプの違った電車には乗れるし、船、バスといろんな乗り物に乗れるから子供たちはお喜びするだろう。
松原 現駅をどうするか。
山崎 南北自由通路は、単なる通路では魅力がない。女性にとっては怖いだけ。人口デッキは街の景観を壊す。全国的に見てうまくいっている例はない。階段を上がって降りるのは不便だ。市のデザインを見るときれいだが、人がほとんど歩いていない。そうではなく使いやすい駅にすべきだろう。
現駅の計画を凍結することはできるか。
山崎 凍結は不可能。しかし、中身を変えさせることはできる。富山市は市長の強力なリーダーシップで、LRT、市電の環状化、市街地再開発をして、これまでのところ当たっている。よくするのに反対派できない。だから高岡の人は現駅について何か言わないとダメだ。
北陸新幹線は高岡駅にどれだけの本数が停車するのか。
楠 人口では1に金沢、2に富山、3が上越で、4が高岡だ。しかし、都市圏という見方をすれば、高岡は3番目になる。これならほとんどの電車が停車してもおかしくはない。金沢開業時の一日当たりの乗降客を推計すると、金沢が9千人、富山が5千人、高岡が3千5百人である。これから想定すると千台ほどの駐車場がいるかもしれない。
松原 先ほど現駅と新駅を北口、南口として一つの駅とたらえる考え方があったが、それなら駅中はどう魅力あるゾーンにすればいいのか。アイデアはあるか。
山崎 瑞龍寺は大きな観光資源であるが、それでも1.5kは長い。
楠 現駅は広域拠点駅だから生活拠点で考えないといけない。新駅はアウトレットショップを誘致することなどが考えられる。軽井沢は東京からアウトレットのために買い物客が来る。高岡もそれができれば、若い女性が来る。すると男性も来る。こうした人たちをバスで旧市街地に引きずり込む。こうしたことが大事だろう。
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