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演題 「瑞龍寺を中心とした現駅・新駅」
講師 富山国際職藝学院教授・名匠情報センター主任研究員 上野幸夫氏
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| 富山国際職藝学院の上野教授 |
要旨
高岡駅南の隠れた魅力について話したい。もともと、高岡は戦災に遭っていないため、素晴らしい宝が眠っている。大正時代、すでに瑞龍寺−前田墓所−大仏−山町筋の観光ルートがあった。富山の岩瀬は、ポートラムの開通に伴う町並み整備でよくなったが、駅南もちょっと手を入れればそうなる。ただし、岩瀬のように活性化のためには公共交通網と町並み整備の両方が必要だ。
北陸新幹線新高岡駅と瑞龍寺の間は潤いを感じて歩ける場所だ。距離もちょうどいい。瑞龍寺は日本一の禅宗伽藍である。町並みを通ってから大伽藍が現れるという「演出」もいい。また、門から入って、どうなっているのかと期待させてくれるアプローチとなっている。これが日本建築である。
町並みの問題点は、電柱と広告看板だ。これらを外すときれいな街になる。家々は高度成長期以降に設置された新建材やサッシを取り外すとよくなる。新幹線開通に伴う整備としては、開発するところと古いものを残して修景するところと二つの顔で行くべきだろう。
この地域の町並みを具体的に見てみたい。京田庄方用水沿いは、用水が暗渠になっていないところがいい。さらに道と同じように蛇行して流れている。そこに広い庭付きの家と土蔵がある。岐阜・古川のように錦鯉を放せば、それらを見ながら歩ける素晴らしい空間になるだろう。人は、独特の町並みに感動するものだ。
用水には、ほとんどの家のところに水辺へ降りる洗い場(石段)が残っている。今は使われていないが、かつては大根を洗ったり、もっと昔は洗濯物もここでしたことだろう。実に安らぎを与えてくれるポイントである。
コンクリートで護岸を固めたところもあるが、石垣が残っているところもある。この石垣は庄川から均一な石を運んで造ったものだろうが、日本有数の石積みの技術があったことを示している。
これに対して、用水沿いに赤白交互に塗られたガードレールが設置してあるが、これは用水に調和したものにするべきである。家も外壁がトタン板で覆われているケースが多いが、こうした高度成長期に造られたものを外すことだ。
神主町の町並みは、直線道路に連続して建ち並ぶ「鰻の寝床型町屋」である。やはり鉄板などで覆った家が多いが、これを外して、窓を木製サッシに変えるなどすれば魅力が高まる。気密性の問題などから多くの家が格子をやめてアルミサッシにしたのだろうが、出来れば格子の内側にサッシを取り付けて、外観を守る意識がほしい。
さらに言えば、道路にプランターを置いて花を飾ってあるが、町並みに合ったプランターや花にすべきだ。岩瀬でも樽か何かの洋風プランターが置いてあるが、調和していない。このように調和しないものが一つでもあると、興ざめとなる。
家々は修理の時期に来ている。古い家の良さを理解して修繕する人はいいが、「この際に建て替え」と決められた場合、再生は不可能となる。早急に対策を打ち出さないとならない。
寺町の町並みは、道と用水の間に建ち並ぶ家々が特徴だ。奥行きはないが、正面が道に面し、裏が用水となる。ここの家々もほとんどが高度成長期後の材が使われているが、中には古いスムシコを新しいスムシコに換えた家もある。町並み整備を言わなくてもそうしている家は表彰したいくらいだ。
前田墓所はすごいお墓である。城主の墓所として残っているものとして、わが国最大だ。金をかけて整備されたことがよく分かる。高岡城は石垣も残っていないといわれるが、前田墓所を見ると技術の高さが分かる。現在はまだ、その素晴らしさを体感できる具合にはなっていないが、整備次第で本当にいい宝物になる。
質疑応答
−家を改築する場合、車の置き場所の問題が出てくる。どうすればいいか。
上野 全国どこでも同じ悩みを抱えている。モータリゼーションの社会だけにほとんどは改築となると、道路に面したところに車庫を設け、家はセットバッグしてしまう。出来れば、車庫に屋根を設け、軒先だけそろえることも必要だ。また、車庫のゲートにスムシコを入れる工夫もある。理想としては町並みの裏に共同で駐車場を造ることが望ましい。
−町並みに合った商業施設はどんなものがいいのか
上野 まず、空き家をどうするかの活用策だが、若い人に住んでもらうのがいい。それもガラスや彫刻、工芸などの作家などは、こうした古い家が異空間として映り、新鮮に感じるものだ。そこで創造活動をしてもらい、作業を見せる。観光客にとっては、ギャラリーを兼ねたショッピングが出来るといい。井波ではそうした創造活動を見せる通りが出来ている。また、その土地に合った食べ物屋があればいい。観光客はおいしいものが食べられたら満足する。
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